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【インタビュー】コロナショックで困られている事業者の方へ

本記事では、現在のコロナショックの状況下で経営が難航している事業者の方へ、鳥倉再生事務所から伝えたいことやアドバイスなどを、代表へのインタビューという形でお伝えいたします。

 

コロナショックによって企業が抱えている問題について

コロナショックによって企業が抱えている問題について

 

――コロナによって、各企業および各事業者が受けたダメージは大きかったのでしょうか。

 

 

経営コンサルタントの仲間ともいろいろ話しているのですが、今まで順調にやってきた社長さんであっても初めて危機を迎えているといった状況があります。バブル崩壊も乗り切り、リーマンショックも乗り越えたというような、本当に手堅い経営をしているような企業までもがコロナにはやられているんですね。

 

 

――そうですよね。どうしても「人を集めて商売をする」という仕事は、どう頑張っても難しいという場合もあるかもしれませんね。

 

 

だいたいこのような突然のアクシデントは、起こった時点が最悪なんですよね。バブル崩壊やリーマンショックも、株価が暴落した日が状況としては底なんです。ただ今回のコロナ禍は違う。いつが底なのかわからず、挽回するポイントが見つからない。まだ出口が見えていない状況がダラダラと続いています。このような違いによって、今後の見通しも決して明るくはないと感じている経営者の方は多いはずです。

 

そのため、我々としてもそういった思考を切り替えるためのお手伝いがしたいと思います。やっぱりみなさん、現状維持バイアスが強くなってしまい、なかなか柔軟には考えられない、コロナ禍の危機的状態のまま現状維持するのは倒産に直結しかねません。

 

事業再生は特に思考のチェンジが一番大事で、だいたいの方々は「経営が思わしくないのは自分の責任」ということで、自責の念で沈んでいってしまう。どうしても人の上に立つ方って責任感が強い人や、今まで模範的な道徳を示して人を従えてきた人が多いため、自分が率先して今までと違うことを言ったり、実行したりすることがためらわれるんですね。


今まで言ってきたことややってきたことと真逆のことをするのに、一人二役だと無理が生じてしまうのは仕方がないので、「事業再生には専門家が必要ですよ」というお話をしています。

 

鳥倉再生事務所の関わり方

鳥倉再生事務所の関わり方

 

――鳥倉再生事務所がパートナーのように関わることでバランスが取れたりとか、よりチャレンジできたりするということがあるのですね。

 

 

「今までできなかったのに、なんでこれからできるということになるんですか?」という風に言われてしまうこともあります。周りの声はなかなか厳しいですよね……。「昨日までできてなかったのに、今日急にできる理由はなんだ!」という。「魂入れ替えました」とか「性根を入れ替えました」とか、いろいろな言葉はありますが、一度信用が毀損するとなかなか聞き入れてもらえない状況になってしまいます。

しかし専門家が入れば、周りの捉え方も変わってくる。そのために私自身がご説明に上がることもあります。なにせ具体的な施策をもってご説明するものですから、「頑張ります!」という根性論の話にならなくて済みます。

 

 

――説明までもしていただけるんですね。

 

 

まあお話の上手な社長さんの場合は原稿を作って渡したりということもあるのですが、心情的なご説明は社長にお願いして、再生段階のプロセスや、資金的な財務計画のご説明などは私が代わりにすることがあります。

 

 

――経営者の方と打ち合わせを重ねて、そういった分担を決めていくのですか?

 

 

そうですね。以前もお話ししましたが、資金繰りが上手いから社長になる人というのはほとんどいません。営業が上手いとか、新商品を開発できるとか、マーケティングができるということで社長になる人はいます。しかしそのような手腕を買われて社長になったわりには、社長の仕事って半分は資金繰りなんですね。会社の生き死にに直結するということで、資金繰りが社長の仕事になりますし、安心して任せられる人間が見つからないケースも多いです。そのため、財務の信頼できる相棒がいるということは、社長の能力を有効に活用するということにも繋がり、さらに会社の再生にも繋がります。

 

 

――なるほど。しかしなかなか規模の小さな会社だと、家族経営で財務関係を奥様がやっているというようなところも多そうですよね。

 

 

家族というのは良くも悪くも縁があって家族になっているものですから、信頼ができたり、恨みあいがなかったり、裏切られないというメリットはありますよね。ただデメリットを見ると、会社経営を通じて家族の関係性にほつれが出てしまうなどという可能性もあります。例えば離婚のような話になってしまうこともありますし、事業承継予定の子息とのトラブルなども考えられますから。

結局のところ資金繰りというのは、解決できない悩みであることが多いんです。お金が足りないことだけは分かっているので、問題にフォーカスしてしまうと解決不能な論争になり、「お金もってこい」という実現不可能な議論で問題解決への行動が取れなくなります。ある程度は現状を受け入れて、同居していく必要がある。しかしながらそういったお金の悩みと同居できるほどのマインドがある方というのはなかなかいないんですよね。現状否定や自己否定に繋がってしまい、反転攻勢するきっかけがつかめない場合が多いです。

 

 

――たしかにマイナスな方向にばかり向かってしまって、プラスの方向に考えが向かないということはあるかもしれないですね。

 

 

できないことには理由がありますけど、そこで「なんでできないんだ」と責められてしまうようなこともあります。それでは精神的な部分でのダメージも懸念され、問題が飛び火してしまい、より困難化するのです。

 

コロナショックにおいて事業者の方へお伝えしたいこと

コロナショックにおいて事業者の方へお伝えしたいこと

 

――続くコロナ禍において、事業者の方々は今後どのようなことに気をつけていけばよいのでしょうか。

 

 

コロナの怖いところは、影響がない人がいないということですよね。良い影響か悪い影響、どちらにしても、世界中の全員が等しく影響を受けているという点で珍しい状況かと思います。

その中で、まずは自分の現状を特別扱いしないということがすごく大事だと思っています。「自分の状況だけが悪いわけじゃない」というと単に開き直っているだけのように聞こえてしまうかもしれませんが、全員が同じ状況にあるというのはある意味チャンスと考えることもできます。スタートラインは一緒です。それに対応する制度や法律、仕組みが準備され続々発表されます。従来の解決の方法やツール以外にも、新たな方法が示される可能性があります。問題を乗り越える方策が増えると考えましょう。

そのため、現時点で諦める必要はないはずです。異例な対応の中で出てくる解決策も含めて自分のものにしていくことが大事になってきます。特に、*先ほどお話しした資本性劣後ローンなどは、想定を大きく超える金額の融資を受けられる可能性もあります。私のクライアントの中には、コロナ前よりも現預金の水準が高いという企業様もいます。この企業の場合、コロナの影響がなければ、このような経営の基盤が手に入るはずがなかったですからね。ありきたりな言葉ですが、「ピンチをチャンスに変える」ことができたわけです。

 

※前記事参照

(【インタビュー】コロナ禍における相談内容の変化と、実際に融資を獲得した事例について)

 

 

――経営者にとって、相談できる相手が少ないというのが一番の問題かと思いますので、財務のパートナーとして相談することができるというのが一番ありがたい点なのでしょうね。

 

 

そうですね。一人で考えていてもピンチを打開するヒントは得られないかもしれませんから。「ピンチをチャンスに」というのは何も心理的な話だけではなく、ちゃんとキャッシュポジションとして現実的に実現するお手伝いをすることが、我々にはできると思います。

 

 

――最後に、事業者の方々へ伝えたいことはございますか?

 

 

よく「借金をしても無駄だ」という意見の方もいるのですが、経営者としてはその考えはウィークポイントになってしまう可能性もあります。今は金利がそもそもすごく安いですし、コロナ対応資金にいたっては金利がゼロですから、その資金を借りて問題のある人って、経済的な観念でいうと合理性がないのではないかと思います。この低金利を賄えない利益構造の会社さんはそもそも、商売の構造自体に問題がある可能性もあります。

「借金をして赤字を埋めているだけでは意味がない」という捉え方をするのであればその通りですが、赤字をどうしていくかを考えたり、施策に取り組んだりするために、時間を買うという意味でお金を借りるという考え方もできます。今はお金を調達するところまでは簡単にできてしまう状況なので、しっかりその後の対応策を考えた上で活用していくことが重要だと思います。

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