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事業再生コンサルタントへの不満

あなたが事業再生コンサルタントに不満を持つとしたら、どんな点でしょうか?

金融機関の方や記者の方とお話しをしていた際に、「あまり…、この方は良い!

思える事業再生コンサルタントに出会った事が無い」と言われてしまいました。(^_^;)

 

残念な事ですが、そう感じさせる要素があるに違いないと、私の17年の事業再生

キャリアの中で、顧客や関係者から言われた「事業再生コンサル」への不満を思い出

して見たいと思います。

 

まず事業再生コンサルとは?何なのかと考えた場合、コンサルは無資格でも、顧客が

いれば成り立つ仕事ですので、定義が広くなります。その中には、悪意のある事件屋・

整理屋と言われる人も交じっている可能性がありますが、明らかに犯罪で悪質なもの

事例としては少ないはずです。

 

窓口の広さを考えますと、広範に出会う可能性があるという点で、認定支援機関を通

じて事業再生をサービスとして提供される、会社が結果として多くなると思います。

 

                                       中小企業庁HP

 

経営改善計画の策定支援など、金融支援を伴う経営改善計画が必要な中小企業が認定

支援機関の助力を得て取り組む経営改善計画とモニタリングの費用を助成する支援

受けられます。再生支援となると、この認定支援機関を通じて接点を持つ方は多いと

思います。

 

ちなみに、鳥倉の取得している認定事業再生士 (CTP)資格は、事業再生に特化した資格

で、事業再生に関して国際的に通用する高度な知識と経験を有することを証明されてい

す。資格者は再生計画の策定および実行ができる人間として認めていただいております。

2022度実績にてATP会員(CTP補助資格)712名・CTP164名その他と合わせて900名

限られた人員となっています。

 

 

その為、多くの会社や社長が出会う事業再生の専門家は、認定支援機関の税理士、公認

会計士、弁護士、中小企業診断士等の方になると思います。

 

また認定支援機関のメニューに経営改善計画策定支援というものがあり、405事業と言

われています。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/05.html

こちらを活用すると3分の2の助成が出ますので、費用負担が少なく専門家の支援を受け

られるメリットがありますが、公的支援ですので定められたメニューの範囲でサービス

提供されることになります。このような範囲の問題があるため、事業再生コンサルタ

への不満が出るのでは?と鳥倉は考えています。

 

計画作成は事業再生に必要な要素ですが、十分条件を満たしていないと常々、鳥倉は思い

ます。助成金をもらうために、事業再生の本質に挑まずに、レポートだけを作成してもら

うのでは“仏作って魂入れず”だと考えています。事業再生の困難さとはレポート作成の苦

しみだけかな?確かにレポートで事業再生の渦中にある会社や社長は悩んでいるけど、

それは半分じゃないのかなと鳥倉は思います。

 

 

結果として、以下のような不満をお客様が抱くことになります。

 

【計画すら満足できない】

・計画の策定で支援が終わり
・クリエイティブな指摘は少なく計数計画に終始する
・自社の再建計画より返済計画を重視する
・金融や財務の議論に終始する
・こういうもんですと計画を押し付ける
・営業CFと財務CFが均衡し投資CFが省みられない
・一般論が多く自社の実情を反映していない
・計画がコストカット主体
・前向きな施策はおりこんでもらえない
・全体感のあるアドバイスがない

 

 

【誰の味方かわからない】

・金融機関に紹介されたので敵か味方か分からない
・金融機関の肩を持つことが多い
・自分より金融機関の方を向いている
・仕方がないと妥協を迫られる
・役員報酬の削減を迫られる
・住宅ローンのリスケを迫られる
・社長を否定する

 

【定まらない不安感に寄り添えない】

・資金繰りが見えないと案件を受けてくれない
・説教が多い
・言ってる事がコロコロ変わる
・緊急事態への対応力がない
・資金繰りにつまるとアドバイスがなくなる
・そこは私の仕事じゃない社長が頑張ってくださいと言われる
・連帯保証人や社長個人の人生に関するアドバイスがない

 

 

【知識・経験すら不足している】

・横文字が多い
・専門用語が多い
・業界知識が乏しい
・コンサルタント自身が金融機関の信頼を得られていない
・従業員になめられている
・調整役として機能していない
・事業再生コンサルタントは業務横断的な知識が必要なのにそれぞれの知識
 が中途半端

・資格のバックグラウンドに傾斜した部分しか詳しくない、例えば事業再生
 コンサルタント
だが税理士、会計士、弁護士、診断士のライセンス保有なの
 でその領域にアドバイスが片寄りがち

・リスケジュール以外の処方箋を持っていない
・先を見通せるアドバイスがない

 

いかがでしたでしょうか。事業再生コンサルタントは命を燃やすに相応しい、面白い仕事

です。志す人も多い仕事です。でも、誰にでもできる仕事ではありません。事業再生は深み

のある仕事です、その深さはどれだけ苦しんでいる当事者に寄り添えるかです。人は安全な

所からアドバイスする人の意見は聞き入れません。現在の事業再生が、公的再生で、認定

支援機関の仕事で、どれくらい経営者に寄り添えているのかなと思います。

 

私は事業再生17年のキャリアがありますが、認定支援機関ではありません。すると「鳥倉さ

はモグリのコンサルなんですね」とさえ言われる事があります。コンサルタントは、河原

乞食の仕事です。人の生き死にを左右する業の深い仕事です、安全な所からはできない仕事

ですと申し上げます。

 

私は日本の事業再生が発展することを心から願う一人です。

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