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【インタビュー】鳥倉再生事務所の事業再生の特徴と寄せられるご相談の内容とは

本記事では鳥倉再生事務所が行う事業再生や、当事務所へ寄せられるご相談の状況について、代表へのインタビューという形でお伝えいたします。

事業再生の実情や歴史的背景、代表・鳥倉の強み、またコロナ禍でのご相談の変化をご理解いただき、お客様の今後の指針となれば幸いです。

 

鳥倉再生事務所の事業再生の特徴について

鳥倉再生事務所の事業再生の特徴について

 

――鳥倉再生事務所の事業内容について教えてください

 

 

一口に事業再生と言いましてもいろいろな領域がありまして、私はハンズオン型コンサルティングというところをテーマにやっております。

業界全体で見ると、特に情報収集と分析とソリューション提案で終わる事業再生が多いです。一般的に想像されるようなコンサル会社というと、情報の分析と資料作成と提案で終わるものとされているかと思いますが、事業再生でも同じと言って良いと思います。

ただ事業再生の場合、会社の存亡に関わるものですから、スピーディーな変化を提供することが求められます。たとえ情報収集結果と分析を提示されても、「じゃあどうするの?」となってしまう。多くの場合、課題も含め自社で把握しているが、変えられない、変わらないという問題を抱えています。そこを変えることこそが事業再生コンサルティングであると私は考えております。

そこで弊社はハンズオン型という、日本語に訳すると「手取り足取り変化を提供する」というところをテーマにサービスを行っています。具体的に社長や現場担当者と業務を変えることをしていきます。現状打破が仕事です。

鳥倉は特に財務コンサルティングを専門としており、財務資金繰りに関する領域が私の得意分野です。資金繰りの改善をすることで、事業再生に取り組む時間を確保することが一番はじめに取り組む仕事です。

 

 

――経営者の方々と寄り添って二人三脚で歩んでいくという形を大事にされているんですね。

 

 

そうですね。良き相談相手になれるようにと思います。

特にお金の話というのは会社の中でも知っている人が限られるというのが一般的です。だいたい私のお客様というのは売り上げ23億円から20億円くらいまでの企業が多いのですが、そういった規模の企業ではお金について知っているのは社長と家族だけだったり、経理部長しか知らなかったりします。わずかなメンバーとしか共有せず、資金繰りについては少人数で対応しているケースがほとんどです。その中に入って、相談相手と認められる人間でありたいと思います。

 

 

――たしかに、経営者の方だけが抱え込んで悩んでいらっしゃる企業様が多いようなイメージはありますね。

 

 

お金の悩みというのは相談すると信用の失墜に繋がったりもするものですから、相談相手が限られるというのが一番の理由ですね。抱え込んで悩むのもしかたありません。問題の本質としてそのような構造を抱えています。

 

企業の「事業再生」相談の課題

企業の「事業再生」相談の課題

 

――事業再生の相談相手となると銀行などに限られてしまい、なかなか身近なところでは相談しづらいということもあるのでしょうか。

 

 

銀行の場合は一旦経営危機となれば利益相反関係にもなり、経営状況の悪化を相談するとそのまま資金が引き上げられてしまう懸念もあります。資金繰りの危機に対応して融資をしてくれるわけではなくて、資金の回収をされてしまう場合もあるのですから、軽々しく相談ができる相手とは言えません。

他に相談相手の候補として挙げられるのは税理士さんですね。日頃お金周りを見ていてくれるからです。しかし税理士でも、企業の実務については詳しくない場合が多いです。また税理士というのは税務の仕事と計数を管理する、チェックすることが仕事ですから、「数字をどう作っていくか」「数字をどう変えていくか」というお手伝いをする人はほとんどいないのが実情です。

 

 

――先ほどおっしゃっていた「分析」という方に寄ってしまっているということですかね。

 

 

そうですね。分析と過去の数字を整理するのが仕事になってしまっているんです。つまり未来を作る仕事ではないんですね。

結局は事業再生というのは「お金が足りない」というご相談なものですから、税理士さんの中には相談されても困るという人もいるんです。他人のお金のない話を率先して聞きたい人は多くありません。それは税理士さんであっても同じです。

 

 

――信頼関係がないと難しいですよね。

  やはり「事業再生」自体の経験があってこそ成り立つ事業なのですね。

 

 

高度成長期を経てバブル崩壊まで日本企業は総体として比較的順調に推移していたんですよね。バブル崩壊後に、事業再生の実例の蓄積や法律整備が進んでいきました。そういう意味では事業再生の世界自体がここ30年の間に進んだと言っても過言ではありません。そのため事業再生というのはどうしても、実務的な経験のある限られた人が知っている領域になってしまっているところがあります。一般の方はもちろん、経営者の方でも、なかなかわからない領域かもしれません。

また、昔は破産法、和議法といった法律的な整備しかなかったものですから、現代のように私的整理を通じて色々なパターンで事業再生をするケースが出てきたという時代の変化もありますね。また、民事再生法、会社更生法、破産法も実例を積み重ねて、使い勝手の良いものに少しずつ変化しており、最新の実例には触れておく必要があります。

 

 

――それは例えばリーマンショック以降というイメージですか?

 

 

私的整理が積極的になってきたのは、竹中・小泉改革以降の不良債権処理の時代からですね。銀行の不良債権処理がテーマになりまして、不良債権の処理を通じて私的整理のニーズがたくさん出てきました。そういう意味では、金融再生プログラムが出された200210月以降ですので、18年くらいですね。

 

 

――鳥倉氏はいつごろから事業再生士をされていらっしゃるんですか?

 

 

事業再生士になったのは2011年のことですので、9年ほど前からですね。ただ事業再生自体には資格取得の前から関わっていました。民事再生の申請会社に入社したり、コンサル会社として案件に関わったり、ファンドにて不良債権処理関連の仕事をしたりしていました。そういったところでキャリアを積んできましたので、関わっている期間でいうとだいたい15年くらいです。

 

 

――事業再生や不良債権というものが一般的になり始めた頃から関わってこられているということですね。

 

 

そうですね。日本の事業再生の歴史を追ってきた人生です。歴史の変遷や事業再生の変化を踏まえてクライアントのご相談に応じています。

  

鳥倉再生事務所への相談内容について

鳥倉再生事務所への相談内容について

 

――鳥倉様へ相談に来られるお客様の中にはどのような業種の方がいらっしゃいますか?またどのような相談が多いですか?

 

 

現在はコロナの影響を受けた会社様がほとんどという状況ですね。特に売り上げへ甚大な影響が出た企業からの事業再生のご相談は多いです。会社によって影響は様々なのですが、売上が23割減のところから、8割減ほどのところも普通にあります。

だいたい会社というのは売上が1割減少すると赤字になって、2割減少すると資金繰りに問題が出るというのが中小企業の実態です。そのため3割減や、まして8割減となってくると、企業の存亡の危機に陥るわけですね。

 

 

――今そういった問い合わせが多くなってきているということは、コロナの影響がかなり大きかったということですね。

 

 

コロナの影響が止まなければ倒産するという見通しが、経営者のみなさんに広がっているということかと思います。

 

 

――業界についても、やはりコロナの影響を受けやすい業界からの問い合わせが増えている状況ですか?

 

 

実はあまりに直撃している業種の企業からのご相談は今の所多くはありません。金融機関も積極的に対応しているということもあるかと思います。基本的には経営が苦しい時に「事業再生士を使ってみよう」と考える経営者さんというのは珍しいため、情報収集力がある方や、危機意識の高い方から問い合わせをいただく感じですね。

私は事業再生の中でも特に財務コンサルタントとしての立ち位置で会社に入っていくのですが、業種を問わずご相談にのっています。経営において、お金を使わない会社さんというのはないものですから、業種問わずにご相談に応じられる点が私の強みでもあります。

特に、過去に経験した業種が多いというのは、長いコンサルタント人生の中で強みになっていますね。事業に関してお客様に聞かなくてわかることが多いというのは大きいです。信頼してくれる理由にもなります。過去70社分の事業再生を担ってきましたので業種も幅広く経験してきました。

 

 

――70社も経験されていると、業種もかなり幅広いのですね。

 

 

財務に関する専門性がなければ、こんなにも経験することはできなかったと思います。また、事業再生という軸がありましたので多くのクライアントと出会えたと思います。やはり経験がなければ難しい領域ですね。私の場合はしいて挙げるのであればIT業界が比較的少ないくらいですが、それでもゼロではありません。IT業界は金融機関からの借入に依存するケースが少なく、事業再生になる前に株主間の調整で解決してしまうことが多いのも、案件として対応する事例が少なかった理由と考えております。

あらゆる業種についての事前理解があることで、どのような会社様でも迅速に中に入っていって再生にあたることができるのは、大きなメリットになっています。

 

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