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事業再生士を使って事業再生をするために。選び方や依頼内容のすすめ

事業再生をするにあたっては事業再生士に依頼することが望ましいです。ただしその選び方や具体的な依頼内容について悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは事業再生士の選び方や依頼内容などについても含め、事業再生をするにあたってのお話を質問への回答形式でお届けいたします。

 

事業再生士にどんな依頼をすればよいか

事業再生士にどんな依頼をすれば良いか

あなたが事業再生士に相談してみようと決意しても、具体的にどんな依頼をすればよいかまだ悩むかもしれません。そのような場合は、事業再生士に「会社を再建するために何をしたらよいかわからない」と相談することをおすすめします。

単に言葉で相談する場合は、事業再生士も出せる答えに限りがあるかもしれません。その場合に事業再生士は、どんな資料を見せて相談すればよいか、相談する為に必要な準備も教えてくれます。鳥倉の場合、検討に必要な書類の準備や社内からの探索、作成からでもご支援しています。どうしたらよいか分からない状況から始めるのが、事業再生では当たりまえだからです。

事業再生士は、事業再生の実務経験と経営・会計財務・法律の知識を活かして日々仕事をしています。実務経験のない事業主の皆さまが、自分自身で書籍等を参考にして事業再生を推進することは難しいです。身贔屓でなく、専門家に依頼することをおすすめします。

事業再生では、苦境に立たされ、資金的あるいは時間的な限界に直面していることが多く、素人の手習いでゆっくり始めることが許されないケースが多いです。また、社内に事業再生経験があり、実務をこなせる人材がいることは少なく、正社員として社内で事業再生を推進する人物を探して雇用するより、案件ベースで事業再生士を雇った方が経済合理性も高いです。そもそも事業再生ができる人材はそう多くはいません。稀少な人材を募集して採用して任せるとしても、時間ばかり掛かってしまいます。万が一ミスマッチであった場合に、正社員を解雇することは難しく、問題解決のつもりが更なる問題の深みにはまりかねません。

事業再生士を外部招聘する場合は、委任契約ですのでミスマッチを感じたら即日解約可能です。事業再生は時間的な猶予がないケースが多く、上記のように人選や段取りに時間を浪費するのはもったいないです。実際に事業再生士が案件に着手すると、資金繰り改善策の提案と実行、事業の再構築、人員整理、ステークホルダー(重要関係先)への事業改善計画の説明といった内容が主になります。ひとことで言ってしまうのは簡単ですが、経営・会計財務・法律の領域に跨がった専門領域の横断的な仕事となる為、誰にでもできる仕事ではありません。

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事業再生士の選び方

事業再生士の選び方

事業再生士として認定されているということは、事業再生実務経験者であり必要な知識を兼ね備えているということです。最低限の品質保証はなされているわけですから、事業再生士の中から選ぶ決断をされていれば、あとはあなたに合った人を選ぶことが大事です。

鳥倉は財務アプローチから事業再生に取り組みますので、業種を問わず案件を承ります。ただし業界や業種の知識は前提として持っておいて欲しいとのご要望があれば、その業種の再生経験のある人物や、その業種の勤務経験のある人物、業種を特化して事業再生を請け負っている事業再生士を選ぶことをおすすめします。

また報酬体系もその事業再生士によって異なります。鳥倉は月額顧問料の仕組みですが、中には成果報酬型の人もいます。また、ハンズオン型と言って企業に入社して再建に取り組む人、レポートや企業分析を通じて再建に取り組む人など手法も様々です。鳥倉は半ハンズオン型という形でご支援しています。入社こそしませんが、毎週や毎月契約により定期的に1年間訪問し、経営改善計画書の作成から実行支援までを行います。

事業再生士には、弁護士、税理士、会計士、中小企業診断士などベースとなる他の資格保有者も多くいますので、会社として必要としている領域が明確にある場合は、その資格業務も対応できる人選をしてもよいかもしれません。

事業再生士としての葛藤・悩み

事業再生士としての葛藤・悩み

百戦錬磨の経営者の方であっても、経営危機は初めてという方が大半です。経営危機を乗り越え復活した経験のある方はごくわずかだからです。多くの経営者は、いちど経営危機に直面すれば、廃業倒産と市場からの撤退を余儀なくされます。そのため、事業再生経験者が経営者として市場に残存することは稀なのです。

そのため多くの経営者は、初めて直面する事業再生という緊急事態に困惑します。特にお金の話であり、信用に直結する相談となるため、相談するという行為にも、相談相手を探すことにも気が引けるという方ばかりです。

事業再生士にとっては経営危機が日常であり、お金の足りない資金繰り表を作って、「資金ショートまであと何日」と考えるのが日常です。だからこそ、どんな種類の経営危機であってもいつでも事業再生士に相談して欲しいと思っています。専門家としての職業的守秘義務が前提となりますし、相談者を守るという高い倫理観を持ってこの仕事に当たっております。あなたの人生において、最初で最後の経営危機になるかもしれません。あやふやな知識や経験で語る人へ相談し身を委ねるより、高い確率で解決する策を持っている、事業再生の専門家である事業再生士に相談してみたいとは思いませんか。

既に諦め、破産すべきかどうかを悩んでいらっしゃる経営者の方にセカンドオピニオンを提案することもあります。お話を伺い、実は思い詰めているだけで軽傷である場合や、対応策を示して経営再建を目指すことで解決できるケースもあります。それほど、事業再生が広く知られ一般的なものになっていないということです。

経営者というリスクを背負って社会のために頑張る方々には、いつでも事業再生という選択肢が与えられる社会になるべきだと鳥倉は考えています。また、本当にどうしようもなく、法的整理である破産が必要なケースもありますが、本当に全部諦め全部失うだけの破産もあれば、破産を活かした事業再生スキームもあり、経営者の方の今後の人生を見据えた最適の選択肢をご提案しております。破産を覚悟したが、破産費用(裁判所予納金、申立代理人弁護士費用等)の工面ができないとのご相談をいただくこともあります。経営再建を全力で目指すのはもとより、事業継続が困難な場合にも経営者の方の今後の人生の質が少しでも向上するよう助言しております。

経営状況や手持ち資金の状況により選べる事業再生の選択肢は常に変化し異なります。同じアドバイスが当てはまる会社が二つとないのが事業再生の特徴です。千差万別の会社に、それぞれ出会ったタイミングに相応しい再生手法をカスタマイズしてご提供するのが事業再生士です。ぜひ事業再生士に相談下さい。

事業再生士という仕事について

事業再生士という仕事について

様々に事業再生士という仕事を論じて参りましたが、事業再生士は極論すると危機に直面する経営者を支える仕事であります。その為には、経営者を精神面で支え、経営者と伴走し、経営者が選べる選択肢を提案する必要があります。

一般にコンサルタントは、経営者に戦術、戦略を提案することが仕事です。その施策を採用するも実行するも、経営者次第であります。時間的余裕がある会社では、検討することに価値があり、教育研修としての価値もあるのかと思います。しかしながら、事業再生では、資金繰り改善に直結し、与えられた制約条件下で実行可能な施策を果断に実行する事が求められます。理想ではなく現実と向き合わねばなりません。

事業再生においては、何が正しいのかという議論には常に資金的な制約が意識されます。この思考回路の転換が、事業再生の成功には必須です。明日をも知れぬ再生会社では、10年先の為の投資ではなく、水が漏れる袋の穴を塞ぐことが求められます。事業再生から脱したときに語れば良いことを近々の課題として実行することは、たとえ正しいことであったとしても、間違いであり資源の無駄、浪費なのです。限られた資源(金、人材、時間など)の中では、正しいことも正しくならないことがあります。法律は当然厳守致しますが、道徳論は時に事業再生に成功する為の思考回路の転換を許しません。経営者が事業再生に直面し思い悩む原因は、平時に正しいことが有事には間違いとなることに起因しており、道徳論に縛られるからです。

事業再生士という仕事は、大同小異となるポイントを的確に見定め、有事の時間的制約の中で、いかにして切り捨てるものが少なく済むかを常に考える仕事です。そのような経営者の方の思考回路の転換に必要なアドバイスの為に、多くの時間を割いてケアをするようにしています。

事業再生士を使って事業を再生するためには

事業再生士を使って事業を再生するためには

事業再生は時間との勝負です。鳥倉はご契約頂いてから3ヶ月で資金繰りが小康状態となり、計画策定を通じて再生のための施策が軌道に乗ることを目標としています。3ヶ月からその先1年については、計画の進捗管理や追加施策の検討、信頼して任せて下さった債権者をはじめとするステークホルダーへの定期的な連絡説明に時間を使います。それらが会社で対応可能になるまでの期間として、顧問契約は1年間をお願いしております。年間を通じてご支援することで、クライアント企業の信用回復が着実になり、施策の成否を現実のものとして確認修正をすることができます。そして状況に応じて契約の終了、延長をご検討頂いております。

事業再生士は、明日をも知れぬ再建会社より依頼を受け、3ヶ月で軌道に乗せ、1年で結果を出さなくてはならないという厳しい仕事です。しかし、これをやり遂げねばなりません。再生のゴールとは会社により様々に異なりますが、債務超過の解消、債務償還年数が10年未満、金融機関からニューマネーが調達できる信用状況への回復などが主な再生完了の出口の目安となります。倒産危機脱出は迅速に行いますが、信用の回復という再生への出口までには時間を要することが多いです。しかし鳥倉は常に出口を意識したアドバイスを行うように努めています。

ピンチはチャンスに近いというのは事業再生を多数目撃してきた事業再生士として責任を持って言えるアドバイスです。死地においてこそ本当に大事なものとは何なのかが見え、決断ができるからです。優先順位を誤らず決断できれば、活かすための方策は見つかるものです。場合によっては事業再生の出口が事業承継やM&A、事業譲渡になることもあります。経営者が諦めない限り、ご支援する知恵と方策を事業再生士は持っています。

事業再生士のあるべき姿

事業再生士のあるべき姿

事業再生士を知らなくても二宮尊徳先生を知らない人は少ないです。江戸時代に藩の財政を再生した二宮尊徳先生の「あらゆる荒廃は心の荒蕪から起こる」という言葉は、現代の事業再生にもそのまま使える事業再生における真理とも言えます。山田方谷先生の「大信を守らんと欲せば、小信を守るに遑(いとま)なし。」という言葉も、経営再建には必須の考え方です。

金融円滑化法によりリスケジュール(債務返済期日の条件変更)は一般化しましたが、古くは江戸時代に、薩摩藩が250年リスケという手法で藩政改革に成功しています。古今東西あらゆる知恵を出し合って、経営や経済の危機が人類の危機とならないよう乗り切っています。

特に日本では、見直しの叫ばれる連帯保証制度が今もって厳然として残っています。会社が破綻すれば、経営者は会社だけでなく私財も失います。生活の糧を得る方法も、住む家も失うことがあります。それは即ち、生命の危機です。自殺を選ぶ経営者も少なくありません。2018年の自殺統計のうち、自営業・家族従事者の割合は7.1%を占めます。現在の社会では、経済的失敗が金銭問題に留まらず、生死に直結しかねないのです。

だからこそ事業再生という道を提供し、生命の尊厳を守りたいと考えています。前述のように、日本の事業再生にも実は歴史があります。そして現在もなお、日々の経済の動静で新たな知恵が生まれ、対応する法律も変化しています。大局を見て、また経営者の命も見据えてアドバイスできる事業再生士でありたいと私は思っています。困難な会社経営に直面した経営者が、再チャレンジを気軽にできる日本を実現するために、難問解決のための事業再生士として鳥倉の存在がなくてはならないものとなるよう尽力しています。

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