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マイナス金利のインパクト中小企業の資金調達が変わる

Photo by oza

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マイナス金利のインパクト

ゼロ金利についての解説は、
私の専門分野ではありませんのでざっくりご説明します。

日銀の量的緩和は、国債買いオペを通じて行われていました。
民間金融機関から国債を買い上げて、金融機関は国債の売却益を得て資金が潤沢になります。

 金融機関は、潤沢になった手元資金を運用すべく
企業への融資、住宅ローンとして個人へ融資によって、信用を創造することで
消費や投資が活性化し、景気回復し経済規模が大きくなることを狙っていました。

ただ、これが上手くいっていませんでした。 

金融機関に異次元緩和で資金を供給しても、
企業への融資が活性化しないからです。

大企業は、海外への投資や国際M&Aなど国内に資金ニーズ無く、
中小企業は、380万社のうち325万社は零細企業で、
全体のうち40万社は既にリスケジュールをしていて
まともな与信対象にならないからです。

貸せる信用のある企業へは既に他の銀行が貸しており、
貸し出し競争で貸出利息が下落の一歩を辿っています。

結果として、運用先がないため国債で運用していたのですが
それも日銀に買い上げられてしまい、行き場を失ったマネーが
日銀当座預金に積み上げられてしまっていました。

日銀当座預金に積み上げれば0.1%の金利をもらえていたからです。
しかしこれからはマイナス金利で行き場を失ったマネーを
金融機関は本腰で運用しなくてはいけなくなります。
運用しなければマイナス金利という罰を受けるからです。

 信用創造と金融庁の指導の変化

ここからが私の専門分野です。

 そこで、金融庁も新たな信用創造により経済の活性化を促進すべく
H26年事務年度金融モニタリング基本指針より金融機関への検査方針を変化しています。

個別の資産査定の検証について、小口の資産査定は、金融機関において引当等の管理態勢が整備され、有効に機能していれば、引き続き、その判断を原則として尊重する。さらに、引当等の管理態勢や統合リスク管理態勢の検証を前提として、金融機関の健全性に影響を及ぼす大口与信以外についても原則として金融機関の判断を尊重することとする。

 難しいかと思いますので、
詳しくはパンフレットがまとまっているのでご覧頂きたいですが、
知ってナットク!H27/4 ※PDFご注意ください。http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/nattoku.pdf

 簡単に表現すれば、

金融庁は

・昔は個別に貸出をチェックし、債権格付見合の貸倒引当金の管理を金融庁がしていました。
・バブル崩壊以後の不良債権問題におけるリスクは既に管理(引当済みであり、金融システムの破綻リスクは無い)されており、ずっと同じ管理手法はしませんよ。
・なのでこれからは、個別の小さい貸金についてつべこべ言いませんよ、金融機関側でリスクを管理してください。
(金融機関が良しとすれば思い切って融資したらどうですか?) 

ということです。

企業融資が今度こそ変化せずにはいられない

 その中で、今後のテーマとして
『事業性評価による目利き力で融資せよ』としています。

 具体的には金融検査マニュアルには、

『特に、中小・零細企業等については、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断するものとする。」』

 

もっと語弊を恐れず思い切って簡単に言ってしまえば、既に言われていたことですが

リスケジュールをしているからといって、それだけで新規融資を断ってはいけませんよ、

と言うことです。

果たして今回のマイナス金利により、動き出すマネーが、
中小企業への貸出となり信用を創造するのでしょうか。
金融機関には逃げ道のない信用創造が求められています。 

銀行には新規の貸出先がありません。
貸出先を求めて既存融資先であるリスケ会社への融資も真剣に検討しなくてはならなくなります。

私としてはリスケジュール中の会社へどのような形で、
貸出がされるようになるのかに注目し、
支援先の社長が必要とする資金が獲得できるよう動いて参ります。

生きていると面白い局面に出くわします。
事業再生は日々変化します。
私はマイナス金利を良い政策だと評価しております。

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