平成28年1月14日 金融庁
金融機関における貸付条件の変更等の状況について
http://www.fsa.go.jp/news/27/ginkou/20160114-1.html
定例発表の統計データです。
発表の目的は『金融円滑化法の精神』がいかに
引き継がれているかです。
確かに、統計の目的である直近の申込に対する
実行率は98%と高く、
返済の見直しを依頼した会社のほぼ全てが対応されています。
しかし、この統計の問題は
A 貸出条件変更等の申込件数であり
申出社数の特定ができない。
→1社でも何契約も借入口があるのが普通であり、
これまで累計7,104,694件の申込があるが、
40万社程度と類推されている。
→社数を特定しないのは信用不安が起こらない為と
統計を取り始めた当初は報道された。
B 貸出条件変更等の申込件数は
統計を取り始めたH22/3から49万件(4ヶ月)
円滑化法が終わったH25/3で62万件(6ヶ月)
直近のH27/9で49万件(6ヶ月)
→ピークで半期70万件の申込があったことを考えると
49万件に減ったことを喜ぶべきか?
3ヶ月、半年、1年で変更契約を繰り返し
締結する為、基本的にはこの数値は減少しにくい。
円滑化法なき後も49万件も申し入れがあるとして
中小企業の事業再生問題はサッパリ解決していない。
Aは、今に始まったことで仕方無いとして、
Bについて私は問題と感じています。
この49万件は、『ゾンビ企業問題』とされ、
倒産件数の減少の中で、
・目に見えない倒産問題
・行き倒れ型倒産
等とされていますが、まだ確かな分析がされていません。
私は、日々サッパリ解決していない
事業再生の問題に社長と向き合っています。
出口の見えない再生に挑まれている方は、
ご相談頂ければと思います。