事業再生において、有休不動産や価値のある不動産を売却し債務を圧縮するのはオーソドックスな方法です。ただ、無自覚に債務圧縮をしただけでは、これを原因に資金ショートを誘発しかねません。たとえば、閉鎖した工場の跡地が1億円で売れたとします。全額を返済に充てたのでは、会社には1円も残らず資金繰りが成り立たちません。不動産売却に伴う付随経費を意識する必要があります。例えばその不動産を売ることにより、従業員の退職金や設備の移転費用など様々に付随経費が発生します。これを銀行と交渉し、任意売却における諸経費控除の交渉をすることにより、債務圧縮だけでなく、リストラ策として再生計画を推進する力に変えます。事業再生士が任意売却に携わることの大きなメリットです。